手挽きについて考える。

今日は石臼を手で挽くことに、どんな意味があるのか考えてみます。そもそも製粉機は高額でとても手が出ないので石臼を手で挽くようになりました。

ひくという字は難しい字を使うので、わかりやすいようにいつも簡単な挽くという字を使っています。

それはさて置き、何故石臼を使うのか、何故手で挽くのか、それは、そばは熱にとても弱いからです。なので熱をかけないように、ゆっくりと石臼を回します。

何故自家製粉するそば屋さんが多いのか、自分で思ったようなそば粉を作りたいからです。

ただ、製粉会社は本職なので、こちらが望むようなそば粉を作ってくれます。しかも、自家製粉するよりも安く美味しいものを。今は技術も進み、ロール製粉という機械を使った製粉でも美味しいそば粉を作れるようになりました。輸送技術も発達して、国産と外国産の差もなくなってきました。

それでは製粉会社が出来ない事は何か、それは手で挽くことです。自分の手で挽いて、自分の手でふるうことです。

前置きが長くなってしまいましたが、実際にやってみたいと思います。それもわかりやすく、ちょっと極端な感じで。ミキサーと手挽きを玄そばを使って比べてみたいと思います。

今日の玄そば、茨城県、常陸秋蕎麦。
ミキサーで玄そば。

歩留まりがどうとか、回転数がどうとか、難しい話は抜きにして、同じふるいで振るって二八で打ってみました。

左が手挽き、右がミキサー。

手挽きの方は香りも良く、ザラザラした食感ですが、結構さっぱり後味良く食べられます。

ミキサーの方は香りはとんでしまって、歯ぬかりがしてえぐみが強く感じる気がします。

本当はもっと差があると思いましたが、ミキサーの方はそれほどひどくはなくて、やり方を少し変えて考えれば良くなりそうな気がしました。

結果、味はともかくなんて言ったら元も子もないですが、私の場合、手で挽くと想いが伝わるような気がして、手で挽くのが好きなだけです。色々なことを考えながら石臼を挽くのは大変ですが楽しいです。

自己満足にならないように、手挽きが目的ではなくて、どうしたらお客さんに喜んでもらえるかということ。いちそば打ちとして腕を磨くことが大切だと思います。

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