友蕎子のそばつゆを再現。

江戸時代の友蕎子さんの「蕎麦全書」に書いてあるレシピで、そばつゆを再現してみました。

しょう油一升、上好酒四合、水四合。

緩火にて半時ばかりもそろそろと煎じ合するなり。家製の汁には鰹節を入れず。毎に精進汁なり。

しょう油1.8ℓ、良い酒720㎖、水720㎖を混ぜて、とろ火で一時間煎じる。

家の汁にはかつお節を入れない、「精進汁」である。

量が多いので、十分の一の分量でやってみます。

しょう油180㏄、酒72㏄、水72㏄、合計324㏄、を混ぜて、とろ火で一時間煮る。

しょう油、酒、水。

友蕎子さんの家では、かつお節を入れない、「精進汁」だそうです。

精進汁、弱火。
精進汁。

完成。

しょう油を火にかける時点で、もう見なくてもこうなるのは、何となくわかってました。

恐る恐る、ちょっとなめてみました。

「しょっぺー」、「チョーしょっぺー」。

気を取り直して。

田舎そばと星入りそばを、江戸時代風のそばにしてみました。

江戸時代風蕎麦。

精進汁に大根おろしのしぼり汁をたっぷり入れて、試食します。

やはり、しょっぱくて食べられない。

何か間違っているのだろうか。

江戸時代風のそばは、前回の反省点を生かして、量を少し減らし、食べやすく盛り付け、おいしくできました。

江戸時代風、田舎そば。

田舎そばみたいな太いそばのほうが、いい感じにできます。

次に「なまぐさ汁」を作ってみます。

若なまぐさ汁を好む人には鰹節土佐より出る上品の能枯れたる物の内、心の宜敷処斗り四五十目、水を一升入、緩火にてそろりそろりと煎じ煮詰め、鰹節の味ひなき迄煎じ出すべし。これを汁の中へよきほどに加え入るべし。

水一升(1.8ℓ)に、土佐の上品な物の真ん中の部分のかつお節を四五十目(150~200g)を入れて、弱火で煮詰める。

これを適当な量、先ほどの精進汁に加えたものを、「なまぐさ汁」と呼ぶそうです。

なまぐさ...、あーなるほど、かつお節が生臭いから「なまぐさ」。

かつお節の味がしなくなるまで煎じる、とあるので、よっぽどかつお節のにおいが嫌いらしい。

この時代の人がみんな、かつお節が苦手なのか、友蕎子さんが特にそうなのか。

だしの香りを生臭いと言われるとは、現代と感じ方が違います。

精進汁に当店の出汁を加えて、「なまぐさ汁」を作ってみました。

なまぐさ汁。

まだしょっぱかった。

確かにそういわれてみると、生臭いという気持ちがわからなくもない気もするみたいな…。

まだまだ学ぶことは、たくさんありそうです。

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