十割そば。「十割」?

十割そばの「十割」はどういう意味でしょうか。

呼び方は、(じゅうわり)、(とわり)、どちらでもいいと思います。呼びやすい方で呼んでください。

当店では(じゅうわり)で呼んでます。

十割そばは、「生蕎麦」(きそば)、「生粉」(きこ)とも言います。

「生」、「十割」は100%という意味で、そば粉100%のつなぎを使わないでそば粉だけで打ったそばです。

昔はそばと言うと「生粉打ち」、そば粉100%で打っていましたが、生粉だと切れやすいので、つなぎを入れて打つようになりました。

それでは、今、生粉打ちする意味は何なのか?

やはり一番は、そば本来の、そばそのものの味を楽しみたい、ということだと思います。

田舎のおばあちゃんが打った十割そば。それは、最高。好きな人が多そうです。

自家栽培、自家製粉、生粉打ち、こだわりのお蕎麦屋さん。最高。好きな方が多そうです。

やっぱりそばは十割だ。というそば通の方も多そうです。

「細く長いだけがそばではない」、「太く短いのもそば」だそうです。それが好きな方もいるみたいです。

私は「細くて長いそば」が好きなので、二八でも十割でも細く長いそばにしたいと思っています。

このことだけ見ても、見方や感じ方は人それぞれで、いろんな方向から物事を見ることが大事だと、常に自分に言い聞かせています。

今回は、はなれで出している十割そばと、ふるいでふるって残った「さなご」でそばを打ってみたいと思います。

(ふるいでふるって、下に落ちてきた粉でそばを打ちます。ふるいに残った粉を「さなご」といいます。田舎そばなどに混ぜて使いますが、そのままそばにすると、あまりおいしくありません。)

上のふるいに残った粉がさなご、下のそば粉が60メッシュのそば粉。

「さなご」で打ったそば。

さなご。

60メッシュで打ったそば。

60メッシュ。

左がさなご。右が十割。

左がさなご。右が十割。

60メッシュの十割そば、美味しいです。

さなご、思ったより不味くありませんでした。

だいたい、歯ぬかりのする、ぼそぼそした、おいしくないそばになります。

いつも打ちにくいので、今回はつなぎの小麦粉を多めに入れて、多少食べやすくなりました。

以前、十割そばは、この二種類で出していましたが、またいつか「さなご」を”不味いそば”で出してみようか。

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