今日は、江戸時代の蕎麦を再現してみました。
蕎麦全書に書いてある「本朝食鑑」(ほんちょうしょくかがみ・ほんちょうしょっかん)の作り方で、やってみます。
そばを茹でて、ぬめりをよくとって、それをぬる湯の中へ入れて取り出し、亀の甲ざるの中へ入れ、むらなくうすくして熱湯をよくかけ、その上にふきんをかけ、お盆をふたにしてしばらく置いて、重箱の中へ布巾を敷いて、その中へ移して、上から布巾をかけてふたをして、それを小さな布団に包んで、三十分ほど置いておく。
冷水でしめて、そのまま食べた方が美味しいと思いますが、こうすると、熟して、乾いて良いそうです。
無い道具は、あるもので代用しました。
まずはじめに、そばを茹でて、ぬめりをとります。
そのそばを冷水ではなく、ぬる湯に入れて取り出し、ざるに広げます。
そばに熱湯をかけます。
これに布巾をかけ、ふたをしてしばらく置きます。
重箱の中に布巾を敷いて、その中にそばを移す。
ふたをして、布団ではなく、厚手のタオルにくるんで30分ほど置く。
完成。
「本朝食鑑」のレシピで作った味噌味のつゆに、大根おろしのしぼり汁をたっぷり入れて、試食してみました。
ふたを開けたとたんに、あたりに蕎麦の香りが立ち込めます。
くっついて塊になってしまいましたが、まだあたたかくて、味もしっかりと蕎麦の味を濃く感じます。
ちょっと大げさですが、いつもあまり香らないそばなので、うーんとうなってしまいました。
そばをざるに乗せて置いておくと、こんな風になると思いましたが、カピカピに乾いているわけではなく、しっとりしているので、もっと食べやすいです。
食感とのど越しは、想像通り、あまりよくありません。
ので、このような食べ方をするのは、蕎麦の味と香りを引き出すためだと思います。
この食べ方なら、もうちょっと太いそばのほうが、おいしく食べられそうです。
そばを冷水でしめてそのまま出すお店も、この当時からあったようです。
ただ、そのようなお店は”手抜き”をしている店で、評価されていません。
やっぱり、江戸時代と現代では、嗜好が違うと思いました。
わざわざ手間暇かけて、このようなやり方でそばを食べていたということは、実は江戸時代の人のほうが現代の人よりも、よっぽど食通だったりして。
なんてことを考えてしまいます。
実物を見たことがないので、これが本当に江戸時代のそばなのかわかりませんが、以前やってみた、「敦盛そば」に似ているので、もしかしたら、江戸時代のそばの名残が、関西の方面に残っているのかもしれないと思いました。
長くなってしまったので、つゆの作り方は、次回書きます。
江戸時代のそばつゆを再現。
友蕎子のそばつゆを再現。